最先端のがん治療『ウイルス療法』

『ウイルス療法』は、がん細胞のみで増えるように改造したウイルスを感染させ、
ウイルスが直接がん細胞を破壊する治療法です。

がん細胞だけで増えるように遺伝子組換えされたウイルスは、
がん細胞に感染するとすぐに増殖を開始し、その過程で感染したがん細胞を死滅させます。

増殖したウイルスはさらに周囲に散らばって再びがん細胞に感染し、
ウイルス増殖、細胞死、感染を繰り返してがん細胞を次々に破壊していきます。

一方、正常な細胞ではウイルスが増殖しないため、正常組織は傷つきません。

また、手術や放射線、化学療法など従来の治療法とも併用が可能です。

『ウイルス療法』は基本的に全ての固形がんに同じメカニズムで作用することから、様々ながんへの応用が期待されています。

2021年11月1日、単純ヘルペスウイルス1型(口唇ヘルペスのウイルス)を遺伝子を改変した

がん治療用ヘルペスウイルスG47Δ(ジーよんじゅうななデルタ)製品である

デリタクト注(一般名:テセルパツレブ)が国内で発売されました。

G47Δとは

単純ヘルペスウイルス1型のゲノムから、正常細胞での複製には必要でがん細胞では不要なウイルス遺伝子を取り除くことで、がん細胞だけで増えるウイルスを造ることができます。

単純ヘルペスウイルス1型は、がん治療に有利な特長を多く備えています。

主な特長

  • ヒトのあらゆる種類の細胞に感染できる
  • 細胞を殺す力が比較的強い
  • 抗ウイルス薬が存在するため治療を中断できる
  • 患者がウイルスに対する抗体を持っていても治療効果が下がらない

また、大きな特徴として、増えたG47Δが破壊したがん細胞とともに免疫に排除される過程で、
がん細胞が免疫に非自己として認識され、免疫を介して遠隔のがんに対しても治療効果が期待できます。

さらに、G47Δは、がんの根治を阻むとされるがん幹細胞を効率よく破壊することが判っています。

免疫とは自分のからだと同じものを「自己」、異なるものを「非自己」として認識し区別します。
そして「非自己」が体内に侵入してきた場合に、これに反応して排除しようとします。
体に入ってきたものを「俺か、俺以外か」判別し、排除するはたらきを「生体防御反応」といいます。

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